海辺で恋するシンデレラ
「「「いただきます。」」」
手を合わせ、食べ始める。
「ん~美味しい。夏生さん、凄く美味しいです。」
「ふふっ、ありがとう。俺ね、自分の作った料理で皆を笑顔にしたいんだ。だから、この店の名前もフランス語で“微笑み”を意味するsourireって付けたんだ。」
そうだったんだ。
でも、本当。この店に居る人は皆笑顔で、楽しそうだ。
どこのテーブルからも、笑い声が聞こえてくる。
それに、それを思う夏生さんの気持ちもこの店自体から感じる。
「ん?波瑠さん、どうしたんですか?」
なんだか、隣から視線を感じると思ったら
ジッと私の方を見ていた。
「いや、海桜のも美味そうだな、と思って・・・」
「食べてみます?」
お皿を少し波瑠さんの方にずらしてみるものの
波瑠さんは、大きく口を開けて待っていた。
えーっと、これは食べさせろって事かな。