海辺で恋するシンデレラ
「たとえば俺が、君の恋人だと言ったら信じる?」
なんて誤魔化すけれど・・・そんな顔して見つめられると
ドキドキしてしまう。
「それは・・・たぶん違います、よね?」
「分かるんだ。」
やっぱりなぁ。
多少なりとも、恋人じゃ本能的に分かるのかな?
「じゃぁ、俺の知ってる範囲で話すよ。でも、直ぐに知り合いが来ると思うよ。」
そう。
俺よりも、彼女の友人や両親にカフェ伝いで連絡が行くはずだ。
そんなことを言っている矢先
廊下から、どたばたとこちらの方へ走ってくる足音が聞こえてきた。
「海桜っ!」
「神崎っ!?」
部屋に入ってきたのは、男女の2人。
一人は、付き合っていると噂の店長。
もう一人は・・・誰だろう。俺の見たことない女性だ。
抱きついて泣くくらいだから、かなり親しい間柄なんだろう。