海辺で恋するシンデレラ

「そうだな。じゃ、俺は行くけど皆はゆっくりして行ってね。」


そう言って立ち去り際に、私の耳元で

『波瑠をよろしくね。』って私にだけ聞こえる様に小声で言った。


その後は、夏生さんのお父さんである相澤さんと

波瑠さんと3人で他愛のない話をして、楽しい時間を過ごした。


波瑠さんと夏生さんは、幼稚園からの親友で

いつも一緒にいて、やんちゃな事もいっぱいしてきたとか。


今まで私が知らなかった波瑠さんを知れて、凄く嬉しかった。



――――もっと、いっぱい波瑠さんを知りたい。



私達は、ドルチェまで綺麗に食べて、sourire を出た。


「楽しかったぁ。今日は、本当にありがとうございました。」

「いやいや、こちらこそ。とても素敵な時間を過ごさせてもらったよ。それじゃ、私はコレで失礼するよ。」


相澤さんは、私達とは反対方向に歩き始めた。

すると、近くに迎えを用意していたのか、黒塗りの車から

運転手が出て来て、相澤さんは後部座席へ乗りこんだ。

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