海辺で恋するシンデレラ
だんだん視界がぼやけて、波瑠さんもエンゲージリングも
見えなくなってくる。
「それだけで、いいの?」
「うん。だから・・・神崎海桜さん、俺と結婚して下さい。」
我慢していた涙は、波瑠さんの言葉で溢れ出て
頬を次から次へと伝い、濡らしていく。
「返事は?」
「・・・はい、喜んで。」
波瑠さんは、私の頬を指で拭うと、触れるだけのkissを
1つ落とした。
「はい。良く出来ました。」
そういう波瑠さんに、思わず抱きつく私。
「海桜、その姿で抱きつかれると・・・ちょっとヤバい、かな。」
「へ?」
あ―――っ。
私、今何も身につけてなかった・・・。
「し、シャワー浴びてくるっ。」
慌てて、シーツをぐるぐる巻き付け、浴室に飛び込んだ。