海辺で恋するシンデレラ
17.緊張の中で

一ヶ月後――――――


朝から、私は緊張していた。


バタバタと部屋の中を走り回り

鏡の前で、何度も髪型や服装をチェックしていた。


「海桜、そんなに心配しなくても大丈夫だよ。」

「変じゃない?この服、お母様嫌いじゃない?」


そう。今日は、波瑠のご実家にお邪魔するのだ。

もちろん、結婚の挨拶も含めて。


「波瑠、チーズケーキ皆さん好きかな?」

「気を使わなくていいよ?」

「そんな訳いかないのっ。」


朝から、こんな感じ。


冬の寒さが厳しくなり始めた、12月。

街は、クリスマスムードになりつつある。


波瑠さんに海で助けて貰ったのが、春。

真夏に、付き合い始めて――――

いろいろあった、この数ヶ月。

慌ただしかったような、そうでないような・・・。


でも最近やっと、波瑠さんの事を呼び捨て出来るようになってきた。

< 183 / 218 >

この作品をシェア

pagetop