海辺で恋するシンデレラ
17.緊張の中で
一ヶ月後――――――
朝から、私は緊張していた。
バタバタと部屋の中を走り回り
鏡の前で、何度も髪型や服装をチェックしていた。
「海桜、そんなに心配しなくても大丈夫だよ。」
「変じゃない?この服、お母様嫌いじゃない?」
そう。今日は、波瑠のご実家にお邪魔するのだ。
もちろん、結婚の挨拶も含めて。
「波瑠、チーズケーキ皆さん好きかな?」
「気を使わなくていいよ?」
「そんな訳いかないのっ。」
朝から、こんな感じ。
冬の寒さが厳しくなり始めた、12月。
街は、クリスマスムードになりつつある。
波瑠さんに海で助けて貰ったのが、春。
真夏に、付き合い始めて――――
いろいろあった、この数ヶ月。
慌ただしかったような、そうでないような・・・。
でも最近やっと、波瑠さんの事を呼び捨て出来るようになってきた。