海辺で恋するシンデレラ
だからか、波瑠って呼び度に嬉しそうにしている。
とにかく今日は、波瑠のお父さんやお母さんに
気に入られる様に、失態を犯さない様にしなきゃ。
「海桜~。そろそろ、行くよ。」
玄関先で波瑠の声が聞こえる。
「え~。もう、そんな時間?」
淡いピンクのワンピースに、白いパンプスを履いて
胸まで伸びた髪は、サイドで一つに纏め
パンプスに合わせた、白のレースが入ったシュシュで括った。
慌ててバッグを持って、玄関へ。
「慌てなくてもいいから、ね。」
「うん。ありがと、波瑠。」
笑顔で、2人揃って玄関を出た。
波瑠さんの実家は、車で20分のところにあった。
閑静な住宅街で、ひと際目立った大きなお屋敷。
改めて、波瑠が御曹司なんだって実感する。