海辺で恋するシンデレラ

「はい。これ、海桜から。」


波瑠が、チーズケーキが入った袋を付きだした。


「あら、これ。フルール・ド・ミェルのチーズケーキね。私好きなのよ、ありがとう。早速食べましょう。」


お手伝いさんに、声を掛けると

ケーキを持って、一緒に部屋を出て行った。


「海桜、こっちにおいで。」


手を引いて、お父さんが座っている向かい側のソファに座る。


「親父の、慎一と弟の湊人。で、こちら神崎海桜さん。」


お互いの紹介をしてくれた。


「初めまして、神崎海桜です。」

「へぇ~兄貴がベタ惚れだって聞いてたけど・・・本当だったんだな。」


眼鏡をクッと持ち上げながら、珍しいものでも見るように

私達をみた。

波瑠はずっと私の手を握っているから、かもしれないけど。


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