海辺で恋するシンデレラ

「しかし、本当にいいのか?」


え?やっぱり私じゃダメなのかな?

私は俯いて、波瑠の手をギュッと握った。


「そうよ。海桜さん、本当に波瑠でいいの?」


カットしたケーキと、紅茶を持って現れた

波瑠さんのお母さんの言葉にハッとした。


「え?」


今の、本当にいいのかって私に向かって言ってたの?


「そうだよ。兄貴は、女恐怖症っていうか人間恐怖症みたいになって、他人を信用しないし。その割に、独占欲強いし。意外なところが、お子様だし。」

「そうそう。知ってる?この子、ハンバーグが大好きなのよ?」

「あ、はい。それは知ってます。でも、そこが良いと言うか・・・可愛いと言うか。それも含めて、私波瑠さんが好きなんです。」

「くぅ~。やっぱ海桜、最高。」

「あ、わっ。」


急に波瑠が抱きついてきたから、慌てて声を出してしまった。


< 188 / 218 >

この作品をシェア

pagetop