海辺で恋するシンデレラ
「しかし、本当にいいのか?」
え?やっぱり私じゃダメなのかな?
私は俯いて、波瑠の手をギュッと握った。
「そうよ。海桜さん、本当に波瑠でいいの?」
カットしたケーキと、紅茶を持って現れた
波瑠さんのお母さんの言葉にハッとした。
「え?」
今の、本当にいいのかって私に向かって言ってたの?
「そうだよ。兄貴は、女恐怖症っていうか人間恐怖症みたいになって、他人を信用しないし。その割に、独占欲強いし。意外なところが、お子様だし。」
「そうそう。知ってる?この子、ハンバーグが大好きなのよ?」
「あ、はい。それは知ってます。でも、そこが良いと言うか・・・可愛いと言うか。それも含めて、私波瑠さんが好きなんです。」
「くぅ~。やっぱ海桜、最高。」
「あ、わっ。」
急に波瑠が抱きついてきたから、慌てて声を出してしまった。