海辺で恋するシンデレラ

突然、お礼を言った私に驚いたのか

一瞬だけ目を大きくして、でもすぐに目を細めてクスッと笑った。


「どうしたの?」

「ううん。ただ、お礼を言いたかったの。」


あの時、波瑠が助けてくれなければ

私はこうして、生きている事すら出来なかった。


それに、こんな素敵な日を

一緒に向かえる事なんて出来なかったから――――


「俺こそ。海桜、俺の傍に居てくれてありがとう。」


そういって、抱きしめてくれた。


「波瑠。ずっと一緒に居てね。」

「もちろん。絶対離さないから、覚悟してね。」


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