海辺で恋するシンデレラ
ある日の、閉店後。
柊司さんが私を、スタッフルームへ呼んだ。
この店は柊司さんの個人経営の店だけあって、閉店作業は2人ですることになっていた。
今日は、柊司さんと私の2人。
「海桜、こっちにおいで。」
柊司さんは、私と二人きりになると名前で呼ぶ様になった。
私も、恋人同士だったという思いもあって
その言葉に流されるように、柊司さんに近づいく。
「海桜、可愛い・・・好きだよ。」
甘い言葉を囁きながら、kissをしてくる。
嬉しいはずの言葉とkiss。
なのに、私の心には何も響かない。
なんでだろう――――――――
「やめて、柊司さん・・・私、まだ・・・」
記憶が戻ってないから―――――――
そう言おうとした言葉は、柊司さんの唇で塞がれてしまった。
「んんっ・・・やだっ・・やめっ・・・」
私は思い切り抵抗し、柊司さんから離れた。
「なんで?俺達、恋人同士なんだぞ?なんで拒否ルんだよ?!」
苛立った表情で、私を睨む。