海辺で恋するシンデレラ
会ってくれないかもしれない。
そう思って、携帯をギュッと握りしめた時―――――
「嬉しい。私も、会いたい。」
そう言ってくれた。
凄くうれしくて、数時間後いつも私達が待合わせで使っていたという
ファーストフードのお店で会う事を約束した。
「あ、海桜。こっち。」
私を見付け、笑顔で手を振る亜紀さん。
ドキンッ―――――
一瞬、心臓が跳ねる。
大丈夫、大丈夫・・・亜紀さんは、親友・・・だいじょうぶ。
自分に言い聞かす様に、胸に手を当て落ち着かせる。
右手には、藤堂さんが買ってくれた携帯を握って――――――――――
「ごめんなさい。結構、待ちました?」
「うんん。さっき来たところだから。それより、海桜に敬語使われるの変な感じ。タメ語でいいよ?」
「あ、はい・・・」
それから、私達は時間を忘れ、いろいろな事を話した。
高校時代の事、卒業して一緒の大学に通って、今亜紀さんは
地元の小さな商社で、働いているんだって。