海辺で恋するシンデレラ
「優しいですね。でも、私知りたいんです。どんなに苦しい事でも。」
思った事が、口をついで出ていた。
「あなたは、強い人なんですね。」
すると、彼はフッと微笑んでそう言った。
この人は、何かを知っているんだろうか?
何故だか哀しそうな顔を一瞬したような気がする。
「あの、何か知っているんですか?」
「たとえば俺が、君の恋人だと言ったら信じる?」
「それは・・・たぶん違います、よね?」
そう。この人を見ても何も感じない。
まるで他人みたいに。
「分かるんだ。」
クスッと笑って「じゃぁ、俺の知ってる範囲で話すよ」と言ってくれた。
「でも、直ぐに知り合いが来ると思うよ。」
なんて事も付け加えて――――――
知り合い・・・。
どんな人なんだろうか。
私は、どんな生活をしていたんだろうか。