海辺で恋するシンデレラ
一瞬、何が起きているのか分からなかったけど
何故だか、これで良かったんだと冷静に考える自分も何処かにいて。
不思議な気分だった。
結局、忘れ物はそのままにして店をでた。
そして、気が付いたらいつもの砂浜で海をずっと見ていた。
何故だか、海を見ていると落ち着く。
「あ、海桜ちゃんだ。この場所、好きだねぇ。」
よっと、と掛け声を掛けながら私の隣に座る、藤堂さん。
「ふふっ。おじさんみたい。」
「いいだろー?28だし、十分おじさんだよ。」
ははっと笑う。
「藤堂さん、今日はどうしてココへ?」
「ん。今日は送別会があってね。で、めちゃくちゃ飲まされたから、酔い覚ましに夜風でもと思ってね。」
あ、そう言えばお酒臭いかも。
でも、いつもと変わらない感じだから、お酒に強い人なのかな?と思う。
「どう?その後。」
どうって、何を指しているんだろう。
店長との仲のことなのか、それとも記憶の事なのか―――――――――