海辺で恋するシンデレラ
「誰だっ!!」
バンッと音を立てて、目の前の扉が開け放たれた。
音をたてないように気を付けていたけれど
突然の頭痛に気を取られてしまったみたい。
「っ・・・海桜。」
「海桜?!」
扉を開けたのは、店長。
着ていたシャツははだけ、ボタンは全て外されていた。
奥には、会社帰りなのか紺のタイトスカートと
薄いピンク色のシャツを着ていたのか
それを胸のあたりで押さえて立っている亜紀の姿。
「なんで・・・亜紀と・・」
「嫉妬、してんの?なんなら、海桜もまざって一緒に気持ちいい事する?」
厭らしい笑みを浮かべる店長。
「違うっ!!」
過呼吸になりそうになりながら、大声を出していた。
「あんたには、他にも居るでしょう?亜紀は・・・亜紀をそんな人達と同じにしないで!」
「ふざけんな。亜紀がして欲しいて言うから、やってんだ。」
嘘だ・・・
部屋の奥にいる、亜紀に目をやると
亜紀はそっと目を逸らし、横を向いた。