海辺で恋するシンデレラ

なんで、こんな奴に―――――

悔しくて涙が出てきた。


「なぁ、海桜もしようぜ。」

「近づかないで、ケダモノっ」

「くそっ。記憶を失って、少しは大人しくなるかと思ったら―――マジ可愛くねぇ。」

「痛っ・・やめっ・・・くっ」


店長がいきなり髪を掴み、店まで引きずるように連れ出し

フロアに放り投げた。



灯りの消えた、薄暗い店内―――――――――――



奥から、ゆっくり近づく店長の姿。


「っ・・・痛っ・・あ、あぁ・・」


頭痛が激しくなる。

近づく店長の姿と、何かが重なる―――――――


前にも同じような事が、あった?


眩いフラッシュが何度か目の前を照らし

映像が切り替わるみたいに、いろんなものが現れては消えて行く。


その中で、最後に現れたのは―――――――


灯りの消えたスタッフルームで抱き合う、店長と亜紀の姿。

そして、私を何度も殴りつける店長の姿だった。



「ハァ・・ハァ・・・いやぁぁぁ――――!!!!!」

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