海辺で恋するシンデレラ
『あの時の亜紀ちゃんは、きっと気が動転していたのかもしれない。きっと酷く後悔していると思うよ?あの頃の海桜みたいに。』
「うん。」
『それに、あの時の事故は海桜の所為じゃない。お父さんの判断ミスもあったし、他にもいろいろが事が重なって起きた事故なんだ。』
「・・・。」
『海桜が悪い訳じゃないから。もう、気にする事は無いんだよ?』
優しく、語りかけるように話を続ける、お父さん。
私は、もう頷くことしか出来なくて―――――――――――
『でも、海桜はもう大丈夫だよね?』
「え?」
『心強い味方が、傍にいる。ホラ・・・』
お父さんは、光は降り注ぐ海面の方を見上げ
私もそれに次いで見上げた。
≪海桜ちゃん・・・目を覚ましてくれ。≫
私の手を握りながら目を閉じる、藤堂さんの姿。