海辺で恋するシンデレラ


『ね、海桜はもう1人じゃない。何があっても、彼が傍にいてくれるよ。』


お父さんの声がなんだか小さく聞こえて、横にいるはずの

お父さんを見た。

けれど、もう何処にも姿は見えなくて―――――――――――――


『海桜。お父さんは見守っているから。』


優しい声だけ、そこに響いた。


そして、いつの間にか私は周りから溢れ出た泡に包まれ

海上へと浮かび上がっていった。



「お父さん。ありがとう・・・」




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「・・ん・・・」


目を開けると、そこには私の手を握ったまま寝ている

藤堂さんがいた。


「・・・藤堂さん?」

「っ!?」


ガバッと顔を上げ私を見つめる、優しくて深い瞳。


「海桜ちゃん・・・良かったぁ。ゴメンね。気が付いてあげれなくて」


私を抱きしめ、優しく背中を擦ってくれる。

藤堂さんの温かくって大きな手。

好きだな―――――――――――――

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