海辺で恋するシンデレラ

――――急に不安になってきた。

さっきのは嘘なんて言われたら、私立ち直れないかも。


「うわーーっ。夢みたいだ。嬉し過ぎるぅ!!」


そう叫んだかと思うと、私をギューッと抱きしめた。

う、嬉しいんだけど・・く、苦しい



コン、コン、コン・・・



「取り込み中、申し訳ないけど・・・ココ病院だから。」


冷静な声が、私達に届く。


「「あ・・・」」


顔を見合わせて、バッと離れた。


「な、夏生。何の様なんだ?」


藤堂さんは、コホンとわざとらしく咳をして

扉にもたれかかる様に立っていた、夏生さんという男性を睨む。


「サンゴちゃんの着替え。亜紀ちゃんって子から預かった。」


と、大きな紙袋を目の高さに持ち上げた。

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