海辺で恋するシンデレラ

首を傾げていると、夏生さんの目線は藤堂さんに向けられた。


「あ、お前。言ってないの?サンゴちゃんに・・・」

「な・・いや、だって・・・勝手にあだ名付けて呼んでたとか。普通言えないだろ。」


バツが悪そうに、頭を掻いている藤堂さん。


「あのね、サンゴちゃん。こいつね、俺達があの店に出入りするより前から君の事気になってたんだよ?」


と、椅子に座りながら悪戯っぽい笑顔を浮かべ話し始めた。


「ば、バカ。ばらすなよっ・・・」


慌てて夏生さんを止めに入ったけど、構わず続ける。


「で、君の名前。海に桜って書くだろ?それって“サンゴ”とも読むらしくって、俺達の間ではそう呼んでたんだ・・・うっ。く、苦しいって波瑠・・。」


話の最後のほうは、藤堂さんに後ろから羽交い絞めされ

動けない様にされていた。


「お前の口は、軽すぎるんだよ・・少しは自重しろ。」


頬をつねられる、夏生さん。


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