デキちゃってない結婚


 二


 小川春菜は売店の机の上に顎を乗せてうなだれていた。

「何で私がやんなきゃいけないんですか」

 春菜はそう言うと先輩二人を睨み口を尖らした。どうやら先輩二人にイベントのダンスに出るように言われたみたいだ。

「それに真理子さん、良い案があるって言うわりには、去年もそうでしたよ」

「そうだっけ?」

 真理子が惚けてみせると、余程腹が立ったのか、春菜はハッっと大きく息を吐き机を叩いてこう言った。

< 11 / 278 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop