デキちゃってない結婚
「おろせ、と言うのはかなり残酷な事だとわかっているつもりです。全てお金は私どもが支払うつもりでいますし、謝礼金も出すつもりでいますが、金で解決する問題では無いことだという事もわかっています」

 真理子は少し震えながら、淡々と話す小竹の言葉を訊いていた。

「しかし、二人は長い月日をかけて恋愛し、子供を授かったわけでは無い。もしかしたら今後、恋愛に発展する可能性もあるかも知れませんが、今の金子にはあなたと恋愛する気持ちが無いと言っています」

 真理子は困っていた、まさかこんな事になるとは思っていなかったからだ。

真理子はそっと美月の顔を覗くように確認すると今にも死にそうな顔をしている。真理子はヤバいとんでも無いことをしてしまったんだと、やっと気が付いた。

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