デキちゃってない結婚
 そんな感じで頭を抱えこんだ真理子は結局、考えても仕方ないと、先程コンビニで買ってきた缶ビールを取り出し飲んだ。

 そんなことをしていると風呂場からジャージ姿の酒井が頭をタオルでシャカシャカさせながら現れた。

 あら色っぽい、そう思った真理子は一気にビールを飲み干し、ぷふぁー!と言ってニヤついて酒井を見た。

「くつろいでますね」

「あっ、ごめん」

 真理子は焦った、完全に自分の部屋でテレビを見ている感覚だったからだ。真理子は急いで顔を引き締め、コンビニの袋から缶ビールを取り出した。

「どうぞ、風呂上がりのビール」

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