デキちゃってない結婚
酒井は毎日真理子に会う為にお店にやってくる、そしてお決まりのようにこう呟く。

「めんたい大福一つ」

 酒井は背も高く顔も整っている、博多で味噌ラーメンで生き残っている店の店長をやっている酒井は、それなりに収入もあるであろう。しかし何故だか真理子は酒井を嫌っている。

「真理子さんまだ先の話しなんですけどお正月に弟が薬院の方でパーティーみたいな事をするですけど一緒行きませんか」

 おまけに酒井は今流行りの草食男子ではなく、積極的なところもあり、更に性格は穏やか。正に金、ルックス、性格 と三拍子揃った真理子のタイプの男子のはずなのだが。

「ごめんなさい、その日は仕事何で」

< 15 / 278 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop