デキちゃってない結婚

　真理子の震えはマッサージ機に乗っているかのようにブルブルと強さを増し、やっとこさで地下の更衣室までたどり着き、ロッカーにもたれながらこう呟いた。

「はっ、はっ、吐きそう。」

　一方お店では夏歩と佳奈が心配そうに真理子の話しをしていた。

　勿論二人とも妊娠の経験はなかった、それにみじかな人物が妊娠したこともなかった。真理子の様子を見て、妊娠ということが物凄く大変な事なんだと噛みしめていた。

　そんな中お店にニコッと笑った純一がやってきた。いつものようにめんたい大福を頼むと。キョロキョロと真理子を探すような仕草をしたので、夏歩が真理子が体調不良で帰ったことを伝えた。

　純一は少し淋しそうな顔をしたが、お店の中に網かけの青いセーターが置いてあるのに気が付き、またニコッと笑った。