デキちゃってない結婚
 真理子は苦笑いをして断った。

そんな真理子に嫌な顔すら見せず、酒井はニコッと笑った。

「そうですよね、お正月ですもんね、忙しいですよね、それは仕方ない」

 そんな様子を羨ましそうに見ていた夏歩はあることを思いつくと、酒井に近付いて肩に手を乗せた。

「ごめんね酒井さん、真理子その日は駅前でダンス踊らなきゃいけなくてね」

 そんな夏歩の行動に女性らしからぬ顔で真理子は驚くと、夏歩に乗っかるように春菜も店の中にあったダンボールから何かを取り出し話しに入ってきた。

「凄い可愛いダンス踊るんですよ、因みにこれが衣装なんですよ。」

 そう言って春菜は真理子の前に衣装を合わせるように持っていった。

< 16 / 278 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop