デキちゃってない結婚
 思わぬ情報に桃香は闘志をむき出しにした。

「じゃあその女が!」

「いやいやまさか、ただの一般人よ、金子美月が結婚したいって思うような相手じゃないと思うけど、それにこの前逢った時に現実的な男性がいたから、今頃その人と付き合ってるんじゃないかな」

「じゃあとにかくその人に訊けば何かわかるのね!」

「まぁわかんないけど」

「名前は!」

「本田真理子、博多駅のお土産屋で働いている」

 そう曽和子から少しではあるが情報を手にした桃香は薄気味悪い笑顔を浮かべ、福岡の方角を指差してこう叫んだ。

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