デキちゃってない結婚
 涙なんて流すまいと、強く唇を噛みしめた真理子はゆっくりと店に戻った。

店に戻ると夏歩が夢日記を書いていた、目が合ったので真理子は普段見せないような笑顔で笑った。

その様子を見た夏歩は気持ち悪っと苦い顔をした。

電話の相手が美月だったので超ハイテンションでのろけ話を訊かされるのかと夏歩は思っていたが、意外にも静かだったので何かあったんだと察し、何かあったの?と質問した。

「私バカだった・・・」

 今にも泣きそうな声で言った真理子に対し、夏歩は思わず口にしてしまった。

「えっ?今気付いたの?」

「えっ?」

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