デキちゃってない結婚
 何事もなかったような声で言った春菜に真理子は鬼のような形相でゆっくりと呟いた。

「お前かぁ、昨日在庫確認忘れてたのは!」

 春菜は真理子の顔を見て仰け反り、昨日在庫確認してなかった事を思い出す。

「すいません、すいません」

 必死に謝る春菜に真理子はゾンビのように両手を上げて迫った。

「あんた罰としてダンスやりなさいよ」

「嫌です」

「ダンスやりなさいよ」

「嫌です」

 そんな二人の姿を見て夏歩は小さくガッツポーズをした。


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