デキちゃってない結婚
「二人ともお酒は零すものじゃなくて、飲むものですからね」

「うるさい!!」

 二人揃って放った言葉に、またまた溜め息を吐いた店長は、困った顔をした。

それを察してか二人は少し冷静になってくれたのだが無言のまま店内は重い空気が続いた。

「あのさぁ、飛んだマリモってふざけた名前の人のとはどれだけの付き合いがあるのよ」

 そんな重い空気の中最初に口を開いたのは桃香だった。

美月を運命の相手だと信じ失うものかと今までやってきた桃香にとって、美月が結婚したいという女が、自分よりも運命の相手だという根拠が知りたかった。

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