デキちゃってない結婚
夏歩は喫煙所のドアを開けると持っていたタバコを取り出し火を点けた。夏歩がタバコの煙を吹き出すと喫煙所のドアが開いて真理子が入ってきた。

真理子はタバコは吸わないが一人で待つのは嫌いだった、誰かと常に話してないと落ち着かないタイプなのだ。まぁ話しているときも落ち着きは無いのだが。

真理子は喫煙所に入ると直ぐに中にある自販機の前に立ち財布を取り出した。真理子はホットの缶コーヒーを選んで取り出すと、両手でぐるぐると手のひらで転がした。

「ホットかぁ、最近寒くなったもんね」

「まぁね十一月だもん仕方ないよ」

 何となく話し掛けた夏歩だったが、またグチグチ言いだしたら面倒くさいなと思い真理子から顔を背けた。

< 3 / 278 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop