デキちゃってない結婚
「真理子さん、どうしたんですかね」

「同窓会でもすんじゃないの」

 真理子と曽和子はテキトーに博多駅をブラブラしていた。

「真理子あんた彼氏でも出来たの、そんなオシャレして」

「気が付いた、どうこのコート可愛いでしょ」

 そう言って真理子は人込みの中で次々とポーズを取り始めた。

周りを歩く通行人は真理子を変な目で覗き、外国人観光客には笑いながら写真を撮られる始末だった。

しかし真理子はそんな事には動じず、曽和子はただ頭を抱え溜め息を漏らす事しか出来なかった。

「曽和子中も見て、このニットのワンピも可愛いでしょ」

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