デキちゃってない結婚
「でも相方の螢君は熱愛否定したアイドルの・・・誰だっけ?まぁとにかく否定した子と結婚したじゃん」

「女がしつこかったのよ、たぶん」

 真理子のあまりの元気の無さに今ならチャンスと思い、夏歩はお正月にある会社のイベントの話しを切り出した。

「そういやぁ真理子、あんたまだダンスの振り付け覚えてるわよね」

 ダンスとは毎年会社のイベントで博多駅の前にステージが設けられ、販売員二人がアイドルのような格好をしてダンスを披露することなのだが、夏歩はそれを嫌っていた。

今年で三十歳になった夏歩にとっては人前でアイドルのような事をするのは虫ずが走るくらい嫌な事だった。

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