デキちゃってない結婚
「なんだよ、無理して来なくてもよかったのに」

 無理して来たわけじゃないと佳奈は心の中で思い苦笑いした。

「一人で来たの」

「いえ先輩と」

 そう訊いて美月は隣の女性を紹介してもらえるとウハウハしていた。

「仕事場の先輩の本田真理子さんです」

 紹介してもらえたが美月は少し苦い顔をした、何故なら紹介された女性が右隣ではなく左隣の女性だったからだ、しまったと思いつつ美月は直ぐに笑顔で真理子に挨拶をした。

「どうも金子美月です、今日は来てくれて」

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