デキちゃってない結婚

　ここまで言って美月は口を閉じた、それは目の前にいる女性のメイクがスゴいことになっていたからだ、おまけによく見ると着ているドレスが破れている、さらにそのドレスには泥がついている。いったい何があったんだと、美月は笑いそうになったがさすがプロだ、普段からイメージなどを大事にしている芸能人だけあって対応が違った。

「来てくれてありがとうございます」

　そう持ち直して手を差し出した。

　真理子はその手を見て慌てて両手で握った。高校生の頃から大好きだった美月の手を握った真理子はまだビール二口程しか口にしてなかったが、顔は爆発しそうなくらい真っ赤になっていた。