デキちゃってない結婚
 しかし完全に美月の背中に画鋲が突き刺さったと思ったのだが、美月は全く反応しなかった、おそらく毛布に助けられたのだと真理子はホッとしケータイには出ずにケータイの電源を切った。

真理子がもう一度脚立に登りポスターを剥がそうとした時だった。

「うっ!うゎゎゎゎゎゎゎゎゎ!」

 と美月が飛び上がって起きたのだ。

 真理子は美月が起きたことに気が付くとポスターを破いて剥がし、クシャクシャにして背中の後ろに隠した。

「何か!何か刺さってる!背中に何か刺さってる!」

 前にドッキリで顔に落書きをされた事はあった美月だが、さすがに画鋲が刺さった経験はなかった、そのためかなり慌てふためいていた美月は、刺さった画鋲を抜くと、カメラがないかと部屋をキョロキョロした。

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