デキちゃってない結婚
 決して美月の両親に愛情がなかったわけでも無いし、美月もそうは思っていない、しかし美月の知らない愛情がそこに詰まっていて、美月はそれが欲しくてたまらなかった。

でも親に言っても作ってはくれないだろうし、同級生にはみっちゃんには手編みのセーター何て貧乏くさくて似合わないと言われた、だから美月はセーターを作って欲しいことを心の奥に封印したまま、大人になった。

だから思わず口にしてしまった。

「青いセーター」

「青?」

「青一色の」

 少し嬉しそうにはにかみ、何処か遠くを見て言った美月の言葉は真理子に送った言葉なのかはわからなかったが、真理子は美月の言葉に笑ってこう応えた。

「男の子は青色だもんね」

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