純情彼氏

「うん」

繋いだ手から広がる2人分の体温。


「ふらふらしないでね」

「へっあ?」

「………俺だって男なんだから」

唇に落とされたキス。
橘の目にはいつもの子犬のような色は無かった。


「…男は狼だから」

いつもの明るい声は微塵もなく
見えるのは男を漂わせる低い声。

「…っ……」

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