純情彼氏
その一声で周りが橘から手を離し始めた
「圭、あたしに会いに来たの?」
その声の主は清水さん
まるで私が彼女よ、とでも言うように橘に腕を絡めた
「…いや?…七海に用があって」
ちょっとあたしの名前呼ばないでっ
女子の視線が痛いっ
一斉にあたしの方に向いた視線は何なのよ、あんた。みたいな視線だった
「た…橘どうしたの?」
少しひきつり気味の笑顔で橘を迎えたけど
あたしの心の中では今来ないでよっと言う文句で一杯だった