純情彼氏
「あぁ、もう嫌」
お昼の時間になってあたしは机に寝そべっていた
「…ほんと疲れた。休み時間の度に呼び出されるとかありえない」
「そりゃあ、みんな事実が知りたいんでしょ」
分かってるけどぉ…
せめて一片に聞いて欲しい
「体が持たない」
「それが校内一の彼氏を持った結果だと思うけどな」
パクパクとご飯を食べ進めながら杏は冷たく言い放った
「酷いよぉ。あたしの心中くらい察してよ」
「あたし七海から何も聞かされないから。知らない」
…もしかして拗ねてる?
何も言わなかったし、相談しなかったから
「………七海のバカ」
それだけ言って杏はあたしからそっぽを向けた
その姿が拗ねた子どもにそっくりで
「…今度からはちゃんと相談するから」