純情彼氏

その子達と廊下に出た

「……お話は?」

「橘君のことに決まってるでしょ」

吐き捨てるように言われて
流石に心が傷つく


「この子、橘君の事好きなのよ。渡辺さんが想うよりもずっと前から」

この子、と指を指された子は緩いパーマのかかった髪を二つに括っていて
いかにも女の子…という感じだった


「……あたしに別れろって?」

自分でも驚くくらい声は低かった


「…あたっ…あたし橘君に…」

「告白しても良いとは思うけど

…別れろっていうのは違う問題だと思うけど」

少なくともあたしは…
一応橘に告白もして了承を得たんだから
< 113 / 302 >

この作品をシェア

pagetop