純情彼氏


「橘っ!!」

大きな声で人ごみをかき分けた


中央に女の子に囲まれて疲れた顔をした橘が居た


「……な…ななみぃ」

怖かったぁ…と橘はあたしにすり寄ってくる


「…良かった……」

少し乱れた髪を指で梳いてやった
するとギュッとあたしの服の裾を掴んで軽くエグエグと涙を零している


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