純情彼氏


「……俺も戻れない」

「何で?厳しい授業でも当たってた?」

「いや、さ。」

言いにくそうに橘は口を開いた。


「………体育、だった」

着替えない、と手を広げて言ってみせる橘の頬はうっすら朱くなっていた。
多分時間割を把握してなかったのが恥ずかしいんだと思う。

「…ばっかじゃない」

「うるせぇよっ!!何とでも言えよっ!!」

あたしの一言で橘の顔は一気に朱に染まった。
やっぱり図星みたい。

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