純情彼氏



「嘘って言ってよぉっ!!」

振りほどこうとしても振り解けない戒め
大粒の涙が頬を伝う


どんどんと遠ざかる橘の後ろ姿

嫌だよ
全部嘘だと思い込みたくないよ…
さっきみたいまでにまた笑ってよ…

「…おら、お前ら二階に運べ」

悲しみは無情にも何の役にも立たず
あたしは廃墟ビルに無理やり連れ込まれた…



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