純情彼氏


「そうだねぇ。この本は少し難しいけど為になる本だったよ」

朗らかに先生は笑う
それでも

「最近あの生徒がこなくなって…来るのは渡辺ちゃんだけだよ

………寂しいねぇ」

悲しそうな残念そうな顔で本たちを見つめた



「……橘…ですか?」

「えぇ、彼は文集とかも好きだったねぇ」

しみじみとしながらも先生は笑う
読んで貰うのが本の使命だからね

読んで貰えて嬉しいだろうと


< 162 / 302 >

この作品をシェア

pagetop