純情彼氏



「………」

第一部を読み終えたあたしは息を吐いた


「……限りない物を望んではいけない」

これは話の最後の一文
話はこうだった
少年は終わることのない夢の中に飛び込んだ
終わることがないのだから帰ることすらできなくなった
少年は泣いた

ずっと泣いた


けれど少年が戻ることはなかった

少年が居た町から少年の姿が消えた


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