純情彼氏

「七海っ!?……来ちゃ駄目っ!!」

杏が泣き叫びながら声を荒げた

そこは曲がったら階段の踊り場にでるはず…っ

急いでこれでもかと言う勢いで走った


角を曲がった先にあった光景は


耐え難いもので

この苦しみの連鎖こそがエンドレス・ループを物語っているのじゃないかと思った


「………嘘だ」

何も信じたくない

手から滑り落ちた本だけが
この時間を動いているのじゃないかと思った


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