純情彼氏
story5
終わって
杏は殴られたせいか鼻から血が出ていた
涙を零して床に転がされても
必死にあたしの荷物を取り返そうとしていた
「…っ……きりさきぃっ!!」
気がついたら先輩の顔を殴っていた
それはもう綺麗に殴っていたのだ
「杏に手を出すなっ!!…これ以上あたしの周りの人を傷つけるなっ!!」
最低だ
あんたは最低のクズだ
「………っせーな。ならまた相手してくれんの?」
挑発をするように倒れ込んだ先輩はあたしを見上げた
「………最低。…あんたを信じたあたしがバカだった」