純情彼氏

保健室に行ったけど先生は居なかった


「…痛いよね」

杏の鼻を見て申し訳なくなった

「……本当にごめんね」

杏の目に浮かぶ涙を拭き
手当を続けた

「…………七海、助けてくれてありがとう」

「………?」

杏は笑う
いつも笑ってくれる

あたしの心を暖かくしてくれる

「………あたしのほうこそ…」

膝の上に作った握り拳に涙がパタパタと落ちた


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