純情彼氏

目が白黒とする
本当にそうならあたしは支えになれてなかったんじゃないの
ただ…無神経に先輩の側にいただけじゃ……

「……それでもお前だけは…」

先輩の歯切れが悪い
机の上に置いた手のひらがクロスをギュッと握った
ミルクティーが波紋をうつ
揺れて揺れて渦を巻く

「……側にいてくれた」

先輩の瞳から涙がこぼれ落ちた


涙はクロスに丸い染みを作っていく


「………お前だけだった」

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