純情彼氏


いつの日だったかな…
別れた後に先輩を見かけた

すごくしんどそうに裏庭のベンチに腰をかけていた

あの時にはもう……
先輩は辛い気持ちを抑えてたんだ


誰にも頼れずにただ生きていたんだ

「…それから何日か経ったある日の午後に母親と再会した
一個下の弟も連れてた」

弟がいることも知らなかった
あたし…先輩のこと何も知らなかったんだ

「母親はさ俺に気付いて話しかけてきたんだよ
元気か?って
元気なわけねぇのにさ」

母親の事は好きなんだろう
先輩は思い出して苦笑いを浮かべた

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